Microsoft Build 2017 Azure アップデートまとめ

シアトルからおはようございます。

エンジニアの秋山です。

現地時間の 5/10~12 にシアトルで開催されております、Microsoft Build 2017 に参加し、現地からこのレポートを投稿しています。

なお、Build の様子は Channel9 でご覧いただくことが可能です。

Azure 新機能

今回は Azure 全般の新機能紹介セッションの内容についてまとめます。

Azure Compute: New features and roadmap

なお、1日目のキーノートで発表した内容は除外しています。

1日目のキーノートは こちら、2日目のキーノートは こちら、Azure ストレージのまとめは こちら を参照ください。

Virtual Machine

ND(P40), NCv2(P100s)

More GPUs, more power, more intelligence

まずは軽い話題から。
Build の3日前くらいにアナウンスされていましたが、機械学習などの用途で使うような GPU 特化のインスタンスが発表されました。

利用は上記URLでプレビューに申し込む必要があります。

Dv3, Ev3

同時に nested virtualzation という、VM 上で VM を動かすことができるインスタンスが発表されました。

Azure will support nested virtualization soon now | UP2V

公式情報が見つからないため、上記の英語の記事の図を見るとイメージがつくので参照ください。

Cross-Region Site Recovery

Azure SQL Database や Storage にはセカンダリリージョンに冗長性を持たせることができますが、DR 環境を作る Cross-Region Site Recovery が発表されました。

対象は以下のサービスです

  • Cosmos DB(旧 Document DB)
  • Azure Database(SQL, MySQL, PostgreSQL)
  • Blob Storage
  • VirtualMachine

日本のユーザは記憶に新しい3月の障害のようなケースにはこの機能で対処できるのか、要検証ですね。

Azure Portal

Azure Portal 上で動く azure-cli 、Azure Cloud Shell がアナウンスされたばかりですが、PowerShell 版が早くもアナウンスされました。
こちらもプレビューへの申し込みが必要です。
リンクは先頭の Channel9 の動画 13分あたりを参照ください。

Azure Service Fabric

Announcing Windows Server Container orchestration with Azure Service Fabric

Windows Server Containers が GA しました。
また、同時に Docker Compose によるデプロイもプレビューで公開されました。

Azure Batch

Batch computing at a fraction of the price

Low-priority VMs in Batch がプレビューで発表されました。

これまで Batch は Virtual Machine と同額の料金がかかりましたが、80%引きの金額で利用できます。
タスクの中断が許容でき、実行時間に制約がないジョブで推奨されています。
例として、大規模な負荷テスト・回帰テストが挙げられています。

Azure Batch Rendering

Massive-scale cloud rendering with Autodesk on Azure

映像のレンダリングに特化した Azure Batch Rendering がプレビューで発表されました。
映像業界ではコンピューティングリソースの利用に波があることが背景にあるのでしょうか。

以下のサイトから申し込みを行います。

Azure Batch Rendering

Web App on Linux

See what’s new for Azure App Service – Web App on Linux (Preview)

プレビュー公開されている Web App on Linux ですが、フィーチャが公開されました。

  • スロットとスロットを使ったスワップ
  • 自動スケール
  • コンテナへのSSH
  • VisualStudioTeamService とのインテグレーション
  • DockerHub とのインテグレーション
  • 常時接続
  • ワイルドカードドメインのサポート
  • コンテナのカスタムイメージに対するポート自動

Windows 版の機能に追いついてきていますね。
WebApp は私の好きなサービスの一つなので今後が楽しみです。

Azure Functions Runtime

Introducing Azure Functions Runtime preview

オンプレミスで Azure Functions を使うためのランタイムがプレビュー公開されました。

Service Catalog Managed Application

Azure Managed Applications overview

Azure のリソースをまとめて管理するための機能が公開されました。

たとえば VirtualMachine と SQL DataBase の組み合わせで成り立つサービスを、1つのカタログとして作成するイメージです。
この機能でデプロイした場合、個々のリソースは削除できないようになっています。
マイクロサービス化の波もあり、サービス単位で管理するためのサービスですね。

終わりに

キーノートでもAzureの発表をそこそこ聞いた気がしていましたが、こうして見てみるとかなり広い範囲で開発が行われているのがわかります。

情報を追うだけでも一苦労ですね。

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