WordPressのサイトが重くなった時のプラグインパフォーマンス検証

とある多国語サイトをWordPressで構築している時に、結合試験もほぼ終わったあたりで、構築サイト全体のパフォーマンス・チューニングをしていた時の備忘録です。
対象のサイトは規模がそんなに大きくなかったので、AWSのm3.mediumのインスタンスに構築していたのだが、開発途中からサイト全体のパフォーマンスが落ちて、だいぶ重いサイトになって来てました。サイトのパフォーマンス検証「GTmetrix」でのレポートを見ると、サイト内で利用している画像のレスポンスがレイテンシー食っているという結果しか出ず、とりあえずは出来る限りの画像最適化を行って、フロントエンドのパフォーマンスはだいぶ良くなったのだが、WordPressの管理画面は重いまま変わらなかった。WEBサーバ側で静的コンテンツのGZIP圧縮や、.htaccessを利用せずにhttpd.conf内に設定を移行など、諸々対応してみたが効果はなかった。他にMySQLTunerでDBの設定を検証・チューニングしてみたが、特に変化なし。
う~む、CloudWatchを見るとCPU使用量がやけに大きいので、AWSインスタンスの非力さが原因なのかも…そうなると、最終的にはm3.mediumインスタンスからc3系へのインスタンス変更が必要かも知れないなぁ…とか考えていたのだが、そもそも開発中のサイトで社内の数人しかアクセスしない管理画面が重いというのは根本的に別の要因があるはず。サイト全体に関わるものというと、テーマかプラグインかしかない。そこで、導入しているプラグインのパフォーマンス検証を行ってみたところ、ビンゴ!…パフォーマンス低下の原因はプラグインだった。

今回プラグインのパフォーマンス検証に利用したのが「P3(Plugin Performance Profiler)」だ。プラグインのパフォーマンスを検証するのに別のプラグインを入れるというのも変な話だが、このP3プラグインはWordPressサイト内でのプラグインやテーマのパフォーマンスを細かいところまでスキャン・レポーティングしてくれるかなり優秀なものだ。導入も簡単で、プラグインをダウンロードして有効化すればいつでも管理メニューの「ツール」からパフォーマンススキャンができる。

このP3プラグインでスキャンした結果はこうなった。

p3_before

多言語化プラグインの「Polylang」とカスタム投稿タイプ系プラグインの「Types」がランタイムを圧迫しているのがわかる。さすがに多言語サイトなので「Polylang」は外せないが、カスタム投稿タイプ系のプラグインは同系プラグインが多いので差し替え可能だ。「Types」は「Polylang」に公式対応しているプラグインなので採用していたのだが、たかだかカスタム投稿の拡張をするだけで、ここまでランタイムを占有されてはちょっと使い勝手が良いとは言えない。
そこで、「Types」プラグインを外して、同系で使い慣れている「Custom PostType UI」プラグインを導入してみた。

p3_after

「Types」で占有されていたランタイムがなくなり、プラグインロードタイムやプラグインインパクトが改善された。管理画面の体感速度も数十倍に向上し、本来のサクサク編集できるUXが復活した。プラグイン一つでここまでパフォーマンスが変わるものなんだなぁ…と実感できました。

今回の件から、今後WordPressサイトを作る際には、プラグインの機能よりもパフォーマンスを重視して選定した方が良いと私的には思えました。なぜなら、プラグインの機能で足りないものは後からいくらでも追加することができるが、プラグインのコアに依存するパフォーマンスを改修するのは非常に困難だからです。
特に管理画面が重いと、サイトを運用するWEB担当者のモチベーションがかなり下がってしまうので、ちょっと機能不足でもストレスなく運用できる管理画面の方が喜ばれるのではないだろうか。

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